弱虫の勇気
一回目は痛み止めが効いていたのか、たまたま運が良かったのか、不快感はあったけれど痛みはチクッとした程度。だから、二度目のあのプッスン、ミミミギギギぃ〜!というのには、まさしく背筋が凍ってもうた。「ひゃん、いたいぃ」と情けない声が、唐突に無意識に出た。
そこで、執刀医さんが「あっ、いたいですか?じゃ、もう一度いきますよ〜」っと別の場所から、刺し直すことになった。「エッ!!あっ、はい。うっうっう〜」半分おしりを突き出した状態で、突然の絶望感に襲われ哀れにうめいていると、そばにいたキレイな看護師さんが、ぼくの腕にそっと手を添えてくれて、優しく慈しむ声で「がんばって」って、励ましてくれた。その手のぬくもりに、マジで痛みが柔らいだ。よーっしゃ!しっかりせなあかんって、胃の下あたりから熱いモノが込み上げてきた。
それからは、さんざん負け犬のような声と息づかいだったのがなおり、執刀医さんの問いかけに対して、ハッキリと答えることができ、体のリキんでいたのが緩んだからなのか、スムーズに針が奧まで入ったように思う。術後1時間は、経過を診るためにベッドに横になっていたけれど、ほとんど寝てた。退室時は照れくさかった。
3度目の前の晩も「やっぱり、もう2回したらええか、ちょっとましになってきたし」って逃げ出したくなったけれど、あの時もらった「勇気」で、すぐに気持ちを切り替えて覚悟を決め、睡眠も十分とることができた。そして今日、そこそこ痛みは感じたけれど、なんとか終始おとなしく冷静に乗りきれた。
この注射は二度と打ちたくないし、あの痛みはもう思い出したくもない。でも、あのぬくもりだけは忘れまい。
ありがとうございました。


















